メルカトル図法は「地球の中心からまっすぐ」ではない

各種地図投影法について、ちゃんと数式まで確認したいと思い、地図投影法という本を読みました。単に結果の式を紹介するだけでなく、代表的な図法については式の導出まで詳しく書かれていてとても便利な本です。また、実際には球ではない地球の緯度・経度を、どこで計測するのかなど、地図を作図するのに必要な知識の基礎がよくまとまっています。

地図投影法

地図投影法

さて、この本の45ページ「地図投影法についてよくある間違い」に以下の記述があります。

地図投影法に関して広まっている誤解の筆頭は、メルカトル図法の原理に関するものであろう。球に円筒を巻きつけて球の中心から投影すればメルカトル図法が得られるという解説や図解は、学生用参考書や一般向けの地図に関する書籍によく見られるものであるが、間違いである。

私自身、中学か高校の頃から「メルカトル図法は地球に円筒を巻いて、中心に電球」と思っていたので、「中心から真っ直ぐ投影するのと、正しいメルカトル図法はどれぐらい違うのか」を知りたくなって、図にしてみました(以前、Twitterにも投稿したもの)。緯度66度の線を見ると、「中心から真っ直ぐ」よりもだいぶ下側に投影されることが分かります。

この図は、PerlでSVGを出力したものに説明を追記したものですが、SVG出力部分のコードを紹介しておきます。なお、66度というのは、下記のコードで適当に設定を変えて出力画像をInkscapeで眺めて、縦方向がある程度の大きさに収まる範囲でできるだけ大きな3の倍数として選んだもので、それほど深い意味はありません。