転職活動の最初にやるべきこと2つ

最近、勤続10年以上で初めて転職を考えるという知人から立て続けに相談を受けました。転職活動する際には、職務経歴書を書いたり、転職エージェントに連絡するよりも前に、以下の2つをやるべきだと思っています。

  • 転職を検討する理由を素直に書き出す
  • 公開されている求人をたくさん読んでみる

このことを書いているサイトはあまり見かけないので、もう少し詳しく説明します。

転職を検討する理由を素直に書き出す

面接などで語るきれいな理由は後で作文すればいいので、まずは自分の心の中を素直に書き出してみましょう。「転職する」ということは、「今の仕事を辞める」ことになります。何も不足・不満がないのに仕事を辞める人はいません。たとえばよく聞く「もっと成長したいから」という一見前向きな理由も、裏返せば「ここでは成長できない」という不満とも言えます。ここでは、ネガティブでも何でもいいので、今の仕事のどんな点を解消したいのか、書き出しておきます。
このメモは、最終的にオファーをもらって転職を決めるときに重要になります。働きながらの転職活動は、時間調整が大変な上に、書類選考や面接で何度も落とされているうちに、転職する自体が目的になってしまいがちです。そうすると、オファーが出たときに、実はその仕事がもともとの問題を解消しないものでも、うっかり受け入れてしまうことが起きます。すると、またすぐに転職を考えることになり、ジョブホッパーになりかねません。
ジョブホッパーになることを防ぎ、オファーを冷静に評価するために、オファーが出たときにここで書いたメモを読み返すことになります。

公開されている求人をたくさん読んでみる

求人を読むのは当たり前と思うかもしれませんが、重要なのは「たくさん」です。少なくとも20件、見出しだけ読むものを含めれば50件ぐらいは見てみましょう。
この作業の目的は、自分が雇ってもらえそうな仕事を探すことではなく、「自分の今の仕事・職種は、他社では何と呼ばれていて、どんな風に分かれているのか」ということを調べることです。職務経歴書を書き、面接するときには、相手に通じる言葉で今の仕事を説明する必要が出てきます。
特に、日系大企業では、職種や部署を明確に分けずに、色々な仕事をやらせる傾向があるので、そういうところに長くいる人には重要な作業です。たとえば自分の場合、主に「○○ソフトウェア研究所」の「担当」(平社員のこと)、「○○SI事業部」の「担当」だったのですが、部署名が説明的でないことも多く(極端な例では、「第1ソリューション事業部」のように)、最初の頃は自分の仕事を人に説明するのにとても苦労しました。
転職では「どんな部署で」以上に、「自分が個人としてどんな役割を果たしていたか」が重要になります。現在の会社の組織図や役割分担表を説明するのではなく、「自分が」「何をやって」「どう貢献しているか」を話すことを意識して、他社の求人を読んでみてください。