「知識労働時代の資本(カネ)の使い方」を書いてから、「人事制度はどうあるべきか」を考えていたのですが、なかなかまとまらないので、とりあえずメモのまま公開してみます。
知識集約時代の前提
- カネを出した者より、知恵を出した者の方がエラい
- 知識労働者の成果はモチベーション次第
→ 全体的なモチベーションをできるだけ高めることが制度の目的 - もっとも希少な資源は、知識労働者の労働時間。ムダなことをやらせてはいけない。
- 生産性のカギが「どうやるか」から「何をやるか」に移行する。
働く者の心理
- 人間は、それまで享受していたものがなくなると、もともとなかったとき以上に喪失感を感じる。
- 給料を下げられて、その結果モチベーションが上がる人はいない。
- 福利厚生を削られると、モチベーションが下がる。下がったモチベーションは、同じ福利厚生を復活させても戻らない。
- 給料は、絶対額より、周囲との相対比較。
- 上司がアホだと、その部下は優秀なほど辞める。優秀な人材は、自分の力を発揮する障害を避けたがるので。
- あとから入社した人間を上司にするのは非常に難しい。
- 7,8年以上年齢が離れていると、相手が持っている"感覚"を理解することはできない。
制度上の考慮ポイント
- 会社のミッション(社会に対して成し遂げたいこと)に深く共感する人のみを正社員とする。
- 会社のミッションは明文化しておく必要がある。会社で働くメンバーが「ここで働くことで、社会がどう良くなるのか」を分かるように。
- ミッションの見直し(特に伝わりやすくするために)は随時するべきだが、その際に「聞いていたミッションと違う」として社員がいなくなるリスクはある。
- 高度な専門知識はあるが共感度は高くない社員を雇用する場合は、正社員と異なる高めの給料を個別設定するために期限付きの契約社員とする。
- 正社員の給料は年功序列的要素を大きくする(会社のミッションの理解度と貢献を重視するため)。
- 初期に正社員として採用するメンバーは、会社が成長したときに役員クラスになれる素質がなくてはいけない。
さらに考えたいこと
知識は、労働者自身が持ち運べてしまうので、会社が専有することが難しい。そんな時代の企業と経営者の役割とは? 企業が持つものは、顧客ベースとその行動データ(購買履歴やPVデータ)、あとはブランドぐらいか?